ボディケア&ソウルケア ビオハーツ
院長の庵原央(いはらひろき)です。
医学部を目指して浪人中に、膵臓癌だった祖父が病気ではなく薬害で亡くなったことをきっかけに、薬に頼らない医学を探すようになりました。そして出会ったのが、アメリカ生まれの自然医学である「オステオパシー」でした。
オステオパシーを学び、習得するうちに、誰よりも健康体だと思っていた自分自身が完全に「未病」の状態だったことに気付きました。「未病」とは、自然治癒力を抑制する制限の連鎖が蓄積している状態です。もしも自分の状態に気付かずにあのままの状態でいたら、今頃大きな病気を抱えていたと思います。オステオパシーを習得したことで誰より恩恵に預かっているのは私自身で、オステオパシーを学びだした20代の頃より、40代になった今の方が確実に健康になっており、本当に命拾いをしました。
そして実際に多くのクライアントの方々と接する中で、かつての私と同様に、多くの方が「未病」の状態にあり、そのためにいくつもの慢性症状や不定愁訴を抱えていることも目の当たりにしました。
インターンを終えてすぐ開業しましたが、5年間ほどは並行して特別養護老人ホームで機能訓練と施術を担当しました。多くの入居者・利用者の方が「難病」や重篤な「疾患」を抱えており、実際にケアしていく現場でしかわからないことを数多く学びました。特に、脳疾患をもつ方が多かったため、頭を触るとその方が抱えている疾患のタイプがわかるほど鍛えられました。
そんなある時、一般の若い女性に施術を依頼されました。検査の途中で頭に触れた瞬間、ぞっとしました。その女性の頭の状態が、ある重篤な脳血管性疾患を持っている方の状態と酷似していたからです。正確には、このままだと同じ状態になる可能性が高い、という感覚でした。もちろん、ご本人からはそんな情報はありませんし、下手に怖がらせてもいけないので、遠回しに病院での検査をお勧めしておきました。検査の結果、病名はつきませんでしたが、注意が必要な状態だと言われたそうです。
この時、私が普段触診でとらえていた「未病」と、特養の方が抱えている「疾患」が同じライン上にあり、本当に「未病」が「疾患」に変わっていくのだということを確信しました。
それまで、特別養護老人ホームの入居者の方の体は、一般の方の体とは違う、という思い込みがありました。実際、本当に違うのですが、入居者の方々も、最初からその状態だった訳ではありません。そしてもっと早く手を打てていれば、結果は違っていたかもしれない… 私の祖父も、もっと長生きできていたかもしれません。だとしたら、「未病」を放置してはならない!そう思うようになりました。
朝起きて背中や腰が痛いとか、頻繁に頭痛がしたり寝違えたり、年に一回はぎっくり腰になることは、決して「たいしたことない状態」ではなく、未病が進行しているサインです。
生きている限り、ある程度の問題は誰でも抱えていますし、ある意味、誰でも未病とも言えます。未病=グレーゾーンは幅が広いのです。しかし、自分の状態がグレーゾーンのどの位置にあるのか、自分自身で自覚できている方はあまりいません。未病は自覚することが難しく、更にどうケアして良いかもわからないため、気がつかないうちに進行してしまうのです。
しかし反対に考えれば、未病に関する知識を持っていて、その状態を変えるケアの仕方(技術)を知っていて、自分の状態にさえ気付くことができる感覚があれば、自分自身で未病の状態を変えていくことや、未病の状態を予防することも可能なのです。
自分自身が症状を抱えるのもつらいですが、身近な人がつらい症状で苦しんでいるのを見るのも、本当につらいものです。ひとりでも多く、未病から来る慢性症状で苦しんだり、やりたいことを諦めなければならなくなるような方を減らし、人生を全力で楽しめるようになるためのサポートをしたい。それが私の想いです。