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天気病・気象病・寒暖差疲労の本当の原因

自律神経は、温度の変化に応じて体を自動調節してくれます。

寒い時は、交感神経が優位になることで血管を収縮させて熱が逃げるのを防ぎます。

反対に暑い時は、副交感神経が優位になることで血管を緩めて熱を逃がします。

また温度の変化に限らず、自律神経は交感神経と副交感神経の切り替えによって環境の変化に合わせて臓器の働きを調節してくれます。

しかし、自律神経による自動調節がスムーズにいかないと、寒暖差に環境の変化に対応しきれず、具合が悪くなったり体調を崩すことになります。

最近頻繁に見かけるようになった「天気病」「気象病」「寒暖差疲労」は、自律神経の自動調整がうまくいかないことで起こります。

なぜ自律神経の自動調節がうまくいかなくなるのでしょう?

年齢と共に「体がついていかない」と感じる機会が増えていくことは否めませんが、単純に「年齢」や「ストレス」という言葉だけでは片付けられません。

確かに、寒暖差自体はストレスです。しかし本当の問題は、そのストレスに対して「自律神経が反応しきれない状態」にあることです。

「自律神経が反応しきれない」のは、「自律神経に余裕がない」からです。

「自律神経に余裕がない状態」とは、「何もしていなくても交感神経が刺激されてしまっている状態」のことです。

交感神経が血管を収縮させることは良く知られていますが、逆に血管を収縮・緊張させることが交感神経を刺激することにもなります。

しかも、交感神経は一部刺激するだけで、全身の交感神経にスイッチが入ってしまいます

つまり、体の一部が持続的に収縮することで血管を緊張させているとしたら、暑さ寒さに関係なく、常に全身のの交感神経のスイッチが入った状態になってしまうのです。これが「自律神経に余裕がない状態」です。

この「自律神経に余裕がない状態」を作り出す、体の中の「縮んで動きがなくなった部分」のことを、ここでは「制限」と呼んでいます。

年齢と共に自律神経が正常に働けなくなっていくのは、自律神経が年齢と共に衰えるからというより、年齢と共に「制限」が身体に蓄積していくからなのです。

言い換えれば、制限の蓄積こそが老化の正体とも言えます。