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椎骨動脈(C)ネッター解剖学図譜より引用

ビオハーツ院長の央です。

今回は私自身が体験したケースです。

オステオパシーを学びたくて渡米し
まず総合大学に在籍していた頃、
資金繰りのため夏休みに一時帰国しました。
その時の地獄のような体験です…


唐突に始まった頭痛

一時帰国の際、最初の渡米直前まで
新聞奨学生としてお世話になっていた
麻布十番の新聞専売所にご挨拶に伺い、
夏休みの三カ月間だけ働かせてくださいと
無茶で勝手なお願いをしたところ、
ビックリするほどあっさりとOK。

専売所は寮を兼ねているので、
空いている部屋を貸してもらいました。

着替えぐらいしか持ち物がなく、
枕も布団もなしでしたが、
マットレスがあったのでそれで十分でした。

ありがたい(恐ろしい?)ことに
数年のブランクがあるのに
新聞配達の仕事を
身体はしっかりと覚えていました。
昔取った杵柄ってやつですね。

しかし…

数日後から体に異変が起こります。

朝、起きた瞬間から、
経験したことがないくらいの頭痛。
頭の中がうっ血して、
脳が窒息しそうな感覚でした。

恐ろしく苦しかったのですが、
仕事を休む訳にもいかないので、
フラフラしながら新聞を配り、
帰ってきてはマットレスに倒れこむ…

しばらくすれば治るだろうと
安易に考えていましたが、
一向に回復しないどころか
徐々に酷くなっていきました…

目から血が吹き出そうなほどに
血圧が高すぎて常に赤黒い顔…

頭の内圧が上がって
視界がぼや~っと揺れているような、
目眩のような気持ち悪い感覚。

まともに呼吸ができず、
いつか窒息するのでは?という恐怖…

痛みが強すぎてまともに眠ることもできず、
眠気が勝って寝落ちしても、
また頭痛で目が覚める毎日…

そしてある日、遂に…
バットで殴られたような頭痛が!

バットで殴られたことなんかないから
そんなのわからないでしょと思ってましたが
ああ~これがそうなんだ、
確かにこれはバットで殴られた痛みだ…
と妙に納得している自分がいました。

しかも最後には、絶え間なく
バットで殴られているような頭痛を
感じている状態になり、
本当に生きた心地がしませんでした。

まだオステオパシーに関しても
全く知識がない頃で
基本的に病院嫌いな私でしたが、
流石にこの痛みは本気でマズイと思い、
病院を受診しました

…しかし、原因不明でした。

正直、もう生きてるだけで苦しすぎて、
何度も最悪な手段を考えました。

しかしそれでも仕事は休まず、
そんな状態を二カ月も続けました。
本当に地獄でした…

しかし、急にある時
オステオパシーの創始者A.T.スティル博士の
頭痛に関する逸話を思い出しました。

少年時代、頭痛持ちだったスティルは
庭の木の枝に設置されたブランコに頭を載せ
そのまま休んでいると
頭痛が消えることに気付いたそうです。

にしたブランコの板が
うまく後頭骨を牽引してくれることで、
後頭骨や頸椎の圧迫が減圧され
頭痛が緩和したのかもしれません。

…そこではっと思い当たりました。
そういえば、専売所に来てから
ずっと枕なしで寝ていることに。

その頃はやや猫背気味だったので
高めの枕がないと寝心地が悪いのは
なんとなく気付いていたのですが…

買ったら後で荷物になるし、
ここで働くのは長くても三カ月だし、
その間ちょっと我慢すれば済むからと
グダグダと理由をつけて
結局放置してました。

しかしダメもとで、スティル少年のように
ちょっと頭の位置を高くして寝てみようと
着替えを重ねて枕にして横になった翌朝…

頭痛は完全に消えていました…


オステオパシー的な見解

あの時、一体何が起こっていたのか?

今考えれば、
枕がなかったために
頚部の過伸展(後屈)させたことで
脳の中枢部へ血液を送る
椎骨動脈の圧迫してしまい、
脳幹が虚血して生じた症状だったようです。

思い返してみると、出ていた症状は
すべて脳幹の機能と関係していました。

さらっと簡単に書きましたが、
脳幹の虚血ってどえらいことです。

バットで殴られた痛みを感じた時点で
普通なら完全にアウトです。

よく障害も残らず生きていたなぁと
今思い返してもしみじみ思います。

もしスティル少年の話を知らずに
あのままの状態がもう数日でも続いたら…

いずれにせよ、
生きてはいられなかったでしょう。
それも、枕がなかったというだけで!

私はA.T.スティル博士に命を救われたのです。
本当にありがたいことです。


ソウルケア的な見解

これも思い返せばですが…
この時、本当に問題だったのは、
自分自身を大事にしていなかったことです。

それまで、小さな我慢
どれだけ積み重ねていたか…

今思えば、このタイプの過ちを
私は度々繰り返しており、
その度にメッセージはきていたのですが、
全く受け取れていませんでした。

確かに高望みはできない状況でしたが、
あまりにも身体を酷使し、
心を蔑ろ(ないがしろ)にし、
自分自身を貶めていました。

それゆえに、自分のために 
枕ひとつ用意できなかったのです。

そしてそんな些細なことで、
二度と絶対に経験したくないような苦痛を
嫌というほど味わう羽目になりました…

私は運良くこの状況を打開できましたが
場合によっては同じようなことで
命を落とす方がいるかもしれません。

どうか是非!
自分自身を大事に扱ってください。
仮に他の誰もそうしてくれなくても、
あなただけはそれができるはずですから。


ビオハーツ 庵原央


なんでもない日常が特別だと気付くために、
具体的に日々の暮らしの中に取り入れて
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